前田育徳会の道風



前田育徳会の小野道風というと
常楽里閑居詩(重文)
が有名だ。実物を鑑賞したが、これは、かなり暗くなってしまっていて、書もそれほど優れているようにはみえない。あまり感心しなかった。
 むしろ、銀彩で草花鳥を大きめに描いた絹に、草書で書写した
白楽天の続古詩零巻(重文)
綾本下絵墨書白楽天続古詩断簡 あやほんしたえぼくしょはくらくてんぞくこしだんかん
高さ 約30cm

のほうが優れているように感じる。田村悦子氏も

運筆が躍動して巧みを尽くし、閑雅な下絵とよく合い、詩文の書芸の作品として、誠に素晴らしい。

と激賞している。
だが、実物を細かく観賞したことはなく残念だ。
田村悦子「三蹟」日本の美術、至文堂、日本の美術、第122号、1976年7月15日

には、小さいながらカラー写真があるので、ここに紹介したい。
  二次元の「著作権が無い」作品の写真には写真著作権は無い。
 なお、この作品は藤原佐理の書であるという意見もある。堀江知彦氏の意見である。


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by reijiyam | 2025-09-07 09:35 | 蔵書 | Comments(0)
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