2013年の円空展

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 東京国立博物館、本館1F奥の特設会場で開催されていた円空展を2013年2月23日(土)に観た。もう11年以上前のことになる。メモから書き起こし、多少のREF 補正をつけたものを、アップすることにした。

円空展
・背面が無く垂直に切断されている。未仕上げというより、意図的に平面に仕上げてあり、墨書のあるものが多い。
・柿本人麻呂像
・円空展が1960年代に行われてから、偽作が多数作られるようになった。
 ref  電柱円空始末記 芸術新潮 1974年10月号

  十分信用のできる円空彫刻の展覧、それも露出展示が多い展覧は珍しいからか、大変な人手で、会場が狭く感じた。おそらく主催者は多数の来客があるとは思っていなかったのだろう。
円空彫刻が人気が出たのは比較的新しいので、古い著作権が切れた写真が少ない。そのためネットにだせる画像がモノクロでもほとんど無い。もともと民芸派などの文学者からの評価が先行していたと感じている。
 このために、写真によって円空彫刻をネットで説明することが不可能になっているという奇怪な事態が起こっている。
 一方、奈良の仏像や鎌倉の仏像は明治時代から写真に撮られていたから、著作権のきれた写真を探すのはそれほど難しくはない。
 
  今回、常設展に別に展示してある、東京国立博物館所蔵の円空佛を撮影できたので、ウィキメディアに提供した。

円空  如来立像 檜 高 約 80cm。 東京国立博物館所蔵。 
 
ナタ彫りという彫り目を残した白木の仏像や立木に彫る仏像の伝統は平安時代からある(ref 久野 健, 仏像 1961/11/1 学生社)とはいえ、江戸時代の彫刻の独自性として、この円空や木喰上人の彫刻活動は特色のあるものだと思う。


by reijiyam | 2025-09-01 17:03 | ニュースとエッセイ | Comments(0)
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