潘氏本 淳化閣帖

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雑誌「墨」
http://www.gei-shin.co.jp/sumi/index.html
の 最新号は
淳化閣帖  特集
のようだ。

そこでは、淳化閣帖 粛府本 をとりあげているようだが、当方はあまり粛府本は好きではない。
中村不折画伯と同じ趣味であって、同じ明時代の翻刻本でも、潘氏本というのを好むところである。
粛府本を清初順治年間に補刻したものの拓本を何冊かもっていたのだが、結局みなお礼にあげたり、売ったりしてしまった。あまり気に入らなかったということだろう。結局、手元に残したのは潘氏本第八のみである。
これは、
14年以上前にも少し紹介しておいた。
淳化閣帖by reijiyam | 2006-01-11 21:23 |

この潘氏本を観ていたとき、結構生彩があるな、と自画自賛していて、ふと、他の拓本と写真比較してみようと思いついた。
>まず、これは、現在フリーア(今はアジア美術館かな?)にある宋拓淳化閣帖の翻刻なんだから、原本(下右)と比較してみる。
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ううむ、確かに忠実ですねえ。

次に、東京国立博物館にある、明後期、万暦時代の大収集家 呉廷旧蔵とされ、高島コレクションの一部として寄贈されたものと比較してみます。
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 この呉廷旧蔵本、墨が重すぎて線が細くなってしまっており、どうもあまり感心しないなあ。。

  次に、粛府本を清初順治年間に補刻したものの拓本で、静岡県立中央図書館葵文庫にあるもの、これは明治2年に田中光顕伯爵らが寄贈したものです。
新日本古典籍総合データベース
https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100065344/viewer/1


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 悪くはないけど、潘氏本に比べて一行目の「也」の右上点、「尋」など少し至らない感じがします。

by reijiyam | 2020-06-07 06:54 | 蔵書 | Comments(0)
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