タグ:故宮博物院 ( 2 ) タグの人気記事

徽宗皇帝 文會図

 明末清初の古美術商 呉其貞の書画記は、昔と違って、比較的入手しやすくなった。新世紀万有文庫にはいったからである。この本には、ときどき現存する名画名跡とおもわれるものが記録されているので面白い。あまり古い本の場合は一点も現存するものがなかったりする。そうなるとまったく面白みがないが、この本は違う。
 第二巻に周文矩 文會図 大絹画 1幅 というのがある。どうもこれは現在台北故宮博物院所蔵の 伝 徽宗皇帝 文會図 のことらしい。

 つまり、これはもともと古画・もしくはその模写であって、そのうえに徽宗皇帝と蔡京の題があるのである。ただ、これら全部が更に模写である可能性もある。

 この絵は手前で北宋風の陶磁器の水注を火鉢に直に突っ込んで暖めていたりする光景があったりして、なかなか風俗的にも面白いのだが、一見するとオリジナルな絵にはみえない。もともと模写というスタンスでみれば、なんとなく納得がいくものではある。

 もうひとついうと、写真でみる横縞がなになのか?痛みにしては剥落に対応していないし、ひょっとしたら、絹自体の織り方が違うので綾のようなものなのかもしれない。




e0071614_8315266.jpg


e0071614_8344448.jpg


e0071614_83566.jpg


e0071614_8352820.jpg

by reijiyam | 2011-08-29 08:37 | ニュースとエッセイ | Comments(2)

文賦に紹興印があった

e0071614_921089.jpg
 

e0071614_93249.jpg


e0071614_932263.jpg



2009年、台湾の学者(どうも城北國小?小学校の先生?)の趙茂男さんが、
〈文賦〉卷中宋高宗「紹興」印的發現. 趙茂男; 故宮文物月刊; 315 2009.06
というレポートを書いているようだ(未読)。

  ただ、表題だけで、どういう発見だかわかる。

  故宮博物院にある、唐の陸柬之の作品とされている 文賦  末尾にある蔵書印の下に更に別の印があって、それが十二世紀南宋初期 高宗皇帝の宮廷印 「紹興」であるというものだ。
 文賦 について検索していたら、偶然でてきたものだが、しまったやられたという感じもある。まあ、私より細かく観ている人がちゃんといるということだ、後世畏るべし、と思ったものだった。
  
  イメージをあげておくが、上が もとの状態、次が、私自身が、隠された線を赤で描いてみたもの、更に下が同類の印 これは、王羲之の有名な快雪時晴帖に押されている印である。



 文賦の蔵書印は、従来元時代までしか遡ることができなかった。そこで、「元時代の臨書」という説もあったぐらいである。「紹興」印ということは、単に南宋初期に遡っただけでなく、当時珍重されていたのだから、更にずっと古いものであるという証拠にもなるわけで、画期的発見だと思う。
 ここであげたイメージは30年以上前に出版された図録からとったものなので、当時でも、確かにみえているものなのだ。ところが、ちゃんと観察しなかった。見えていても見えなかったわけだ。こういうものは他でも結構あると思う。


  ただ、元時代の収集家が、なぜ  重ねて押したのか? 偽印だと思ったのか?  それとも紹興内府由来であることを隠さないとまずかったのか? ちょっとそのへんがはっきりしないところがある。
by reijiyam | 2011-05-28 09:07 | ニュースとエッセイ | Comments(0)