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宜興窯のやきものを洗う

 宜興窯の小壺(6.5cm高)(鼻烟壺にしたててあった)の汚れを洗ってみたら、全く違うものになった。私が洗った程度でとれる汚れというのは、古くみせるために人工的につけたものである。本当の古色ってのは何度洗ってもとれるものではない。この汚れは、かなりいかがわしいものだということになる。こういう場合、洗った結果が全くひどいものになることが多い。

 今回は、確かに油性の光沢はなくなったが、かえって古典的な良いたたずまいになったような気がする。底に「眞記」という印が焼成前におしてある。これは陶工が押したものではあるが、陶工の印というより、1867~1900年前後の販売店・ブランドの印らしい。鉄画軒などもそうであるが、陶工と契約したりして自社ブランド販売していた企業があったように思う。

  古陶磁は、洗うということができる。他の骨董品は基本的には洗えないしクリーニングは専門家に頼まないと下手をするとダメにしてしまう。素人が洗えるのは古陶磁だけだろう。ただ加彩の土器なんかは素人クリーニングは無理である。

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追加:
  ようやく洗浄完了 わるくないんじゃない?  特に白泥への彫刻、渚の石を白い点で表現しているところがいい。地の朱泥にも細かい砂が入っていてキラキラ光るのも一興

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by reijiyam | 2011-11-29 07:24 | コレクション | Comments(2)

神龍蘭亭の変身

  これは、私の発見ではなく、伊藤滋さんからの伝聞だ。それも北京の蘭亭シンポで某氏がコメントしたものが発端だそうである。
  一応、当方の考えも織り交ぜるので、文責は全て私にある。

  現代、普通に使われているカラー印刷の神龍蘭亭(八柱第三本)と文革以前に撮ったモノクロ図版で違いがあるというのだ。更に人民美術の中国美術全集所載のカラー図版がおかしい、神龍本は二本あるのか?という指摘すらあったという。
 また伊藤滋さんがいうには二玄社 原色法帖のカラー図版のもとになった写真原版には明らかに傷があるようだ。
 まさかそんな?と思ったので 一番明白な、「仰」字の最終縦線をみてみる。
1964年北京発行の、[文物精華編纂委員会、 文物精華 第三集、 文物出版社、 北京、 1964年] には非常に精密できれいなモノクロ図版がはいっている。これでは、途中に線の中断がある。

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最近、雑誌「墨」などにのっているカラー図版では、中断がない。

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では、これは、前者の写真原版の傷なのだろうか?

実は戦前、西川寧先生が北京からもってきた写真にも中断がある。1956年以前の日本の出版物にでた写真によってわかる。

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更に面白いのは、刻本の拓本、それも神龍本そのものではなくて、派生本、同系統本とおもわれる模写本から刻したらしいものでも、中断があるのだ。
これは、神龍本の原本にも中断があったという傍証になる。

上が豊刻本  下がいわゆる宋拓神龍蘭亭。

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じゃ、今、北京にあるものは、なんなのだろう?
by reijiyam | 2011-11-22 11:07 | ニュースとエッセイ | Comments(0)