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徽宗皇帝 文會図

 明末清初の古美術商 呉其貞の書画記は、昔と違って、比較的入手しやすくなった。新世紀万有文庫にはいったからである。この本には、ときどき現存する名画名跡とおもわれるものが記録されているので面白い。あまり古い本の場合は一点も現存するものがなかったりする。そうなるとまったく面白みがないが、この本は違う。
 第二巻に周文矩 文會図 大絹画 1幅 というのがある。どうもこれは現在台北故宮博物院所蔵の 伝 徽宗皇帝 文會図 のことらしい。

 つまり、これはもともと古画・もしくはその模写であって、そのうえに徽宗皇帝と蔡京の題があるのである。ただ、これら全部が更に模写である可能性もある。

 この絵は手前で北宋風の陶磁器の水注を火鉢に直に突っ込んで暖めていたりする光景があったりして、なかなか風俗的にも面白いのだが、一見するとオリジナルな絵にはみえない。もともと模写というスタンスでみれば、なんとなく納得がいくものではある。

 もうひとついうと、写真でみる横縞がなになのか?痛みにしては剥落に対応していないし、ひょっとしたら、絹自体の織り方が違うので綾のようなものなのかもしれない。




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by reijiyam | 2011-08-29 08:37 | ニュースとエッセイ | Comments(2)

満州国立博物館

昭和10年12月1日発行 書道  第4巻第12号 
34-39p「新設なれる満州国立博物館について」岩村成允

 これを読むと
 1。満州国立博物館は遼寧省博物館の母体である。
 2.ラストエンペラー溥儀は全く協力していない。

この二点に驚かざるをえない。

 
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by reijiyam | 2011-08-20 10:11 | 蔵書 | Comments(0)

康煕賞玩 瓢箪パレスボウル

昨年10月7日の香港サザビーズで水松石山房Hugh Mossコレクションの売り立てがあった。これはHugh Mossコレクションの一連の売り立てのひとつだが、そこで 康煕賞玩 銘がある 瓢箪製のパレスボウルが売り立てられていた。
 これは、CHINESE DECORATED GOURDS by Gerard Tsang and Hugh Moss,1983の2図にはいっていて以前から一度みたいと思っていた。内側が漆仕上げで蒔絵みたいな花模様がはいっている。パレスボウルというのはこの形の鉢が明清の官窯の陶磁器にたくさんあって、宮廷で使用された標準形式と考えられることから、イギリスでついたあだ名である。

 実は貧架にも、そっくりのパレスボウルがある。これはさすがに、いくつも割れは入っているは、カビのシミは無数にあるは、という散々な状態である。それでも図のように「康煕?玩」の銘を読み取ることはできるし、模様はいたってしっかりしている。内側も黒漆で仕上げてあるが蒔絵はない。漆が既にいくらか透けていて、年代を感じる。

  私が蒐集したNatural Objectのなかでは、唯一清朝宮廷と関係のあるアイテムである。もうこういうものを入手することはないだろう。

  水石山房のパレスボウルが売り立てられたことを知ったこの機会に紹介してみる気になった。

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by reijiyam | 2011-08-20 09:34 | コレクション | Comments(3)

正倉院の雑伎団

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古代中国の雑伎については、画像石などの図像資料もあるが、正倉院の弓に黒漆で描いたものも有名である。漆絵脱弓 (中倉169)。弓の表に鼓楽技曲の図を描いてある。
もとの写真図版があまりよくないのだが、著作権がきれた 明治時代の宮内庁, 東瀛珠光, 審美書院, 東京, 明治41年 からとらざるをえないので、了解されたい。

こういう曲芸は、散楽と呼ばれて平安時代まではよく演じられていたらしい。

信西入道古楽図というのも、模写本で伝わっている。信西という伝承が正しければこれは12世紀の散楽を伝えるものであろう。

東京芸大のサイトに
東洋画模本 - 2118 [19759]
信西古楽図
(模本制作)藤原貞幹 (-)
というのがある。

http://db.am.geidai.ac.jp/object.cgi?id=19759
by reijiyam | 2011-08-15 07:32 | ニュースとエッセイ | Comments(0)

青銅器の写真は難しい

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  立体物の写真は著作権が発生するだけに、やはり難しいものだと思う。
  色々撮ってみたが、なかなか満足できるものができない。
  意外だったのは、陶磁器はまだましにとれることもあるが、青銅器の質感をだすことは、更に困難だったことだ。いままで青銅器の写真に悪口をいってきたが、自分でやってみると、なかなか難しいものだと解った。鏡はまだ平面に近いのでなんとかなるのだが、もっと立体のものが難しい。
 
 
  イメージは西漢初期ごろとおもわれる小さな銀錯車馬金具だが、これなんかはなんとかクローズアップしてボリューム感と質感がでたほうかとも思う。
by reijiyam | 2011-08-14 14:53 | コレクション | Comments(0)

長沙窯の小壷


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2次元の書画 書物ばかりでなく立体物を紹介しろという話しもあったので、
 東京で, 一流の古美術商
繭山龍泉堂 http://www.mayuyama.jp/
で買ったもののなかで、一番安い買い物を紹介しよう。しかもディスプレイされていたものだということが凄い。とにかく一番安かった。箱は別料金になったぐらいである。さすがに題箋は書いてもらった。
 これは 唐代後期の長沙窯の小壷で薬 香 化粧品など少量のものをいれるものだったのだろう。
蓋と身が対かどうかはあやしいとのことだが、考えてみるとこういうものを作るなら 身と蓋は別々に大量生産するだろう。径8.5x高7cmぐらい。唐三彩などの小壷よりやや大きい。
 狐のしっぽのような褐色の模様がとてもかわいい。蓋は珍しい青いトルコ石のような釉薬で これもなかなか。長沙窯はこの褐色が釉下彩で、染付の先駆だというので、その点だけで有名なような気もする。こういう青釉も悪くないと思う。
 長沙のものは粗雑なものが多いし、これもボディの焼きかたなどそう厳格ではないのだが、なかなかみどころがあるものだと思う。
 一流の店は安いものでもどこかみどころがある というのは広田不孤斎の言葉だが、それの例証のような気がする。
by reijiyam | 2011-08-08 08:47 | コレクション | Comments(0)

富春山居図 剰山図の加筆

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 それにしても、剰山図のひどい虫喰いをみると、剰山図への加筆は、かなり後世18世紀ぐらい以降に繰り返しおこなわれたものではないか?と思います。なぜなら、このひどい虫喰いは無用師巻には、めだたないからです。修理かとおもいましたが、そこまでひどい痕跡は無用師巻にはみえません。
 とすると、1650年ごろ離れたあと、呉其貞のもとにいったときにはまだ虫喰いがあまりなかったということになります。加筆は虫喰いの上にあるものもありますので、少なくともその部分の加筆はその時点からそうとうあとに実施されたもののようにみえます。呉其貞は骨董屋さんで、しかも剰山図の価値を高く評価してましたから、虫喰い放題にするようなことはなかったでしょう。財産ですから。従って虫喰い更に加筆が呉其貞よりずっとあと2世代以上あとに行われた、と推察できるでしょう。
by reijiyam | 2011-08-06 10:07 | ニュースとエッセイ | Comments(1)