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包世臣

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1837年9月6日(旧暦)に、南京、湯貽汾(武官、画家)の邸宅であった琴隠園で、包世臣、程蕉雲(経歴不明?)、黄均(穀原、画家)、顧蕙生(竹畦、画家)が宴会をし、詩を作った。黄均と顧蕙生は合作で琴隠園を描き、その後に幕僚や包世臣が跋文を書いた。その跋文の書を刻したものの拓本である。題琴隠園図とでもいうものなのだろうか?
いかにもいかにも包世臣という感じが現れている書だが、実は真跡でこのように典型的な「包世臣」は意外と少ない。包世臣自体が色々な書風を試みてこういうものに至ったということかも知れないが、真跡まちがいないものでも結構多様性があり、包世臣風の代表としてあげようと思うと苦労することが多い。
そういう点で、このあまり知られていない拓本は、面白いと思う。拓本の高さ26.5cm。
 宴の主人湯貽汾(雨生)が軍人として高官であったことは看過しやすいが、ここで将軍なぞと呼ばれていると再認識する。

しかしあの画風・書風と「将軍」というイメージはどうもあわないなあ。
by reijiyam | 2007-10-22 12:15 | 蔵書 | Comments(0)

乾隆の避諱があった

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先日、紹介した淳化秘閣法帖考正版本だが、乾隆帝の本名を避けて文字を削り取っていた。よく考えれば序文の雍正庚戌(ACE1730)から乾隆元年(ACE1735)まであまり年月がないわけで、即位後、版木を削ったのだろう。乾隆刊本の場合は、殆ど、暦ー>歴、弘ー>宏に変えてあるからである。

雍正刻、乾隆改修本というべきだった。
by reijiyam | 2007-10-20 08:55 | 蔵書 | Comments(0)

淳化秘閣法帖考正

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筑波大学大学院の高橋佑太さんが、11月の書学書道史学会で、淳化秘閣法帖考正の研究を発表されることを聞いた。
そうはいっても個人的には面識がないし、メールアドだって知らない学生さんのようである。
それにちなんで、おそらく雍正刊本だろうと思う版本の書影を出してみた。枠の大きさ20x13cm、書の大きさ27.5x15.8cm。十二巻だが、後世合本になって装幀されている。
著者の王虚舟の門下であった汪天球が校訂して出版したもの、「詩鼎斎」という書柱があり、巻末には劉茂生が刻したということまでついている。
この本には乾隆期に、淳化閣帖の書の模写を沈宗騫が補い陳卓較が画を入れたという便利な版本がある。これは、以前、台東区立書道博物館でみて、こういう便利な本があるのかと思ったものだ。
ただ、この味も素っ気もない、考証だけの本のほうが、より古いのではなかろうか。
by reijiyam | 2007-10-16 12:04 | 蔵書 | Comments(0)

清明上河図のモノクロ複製

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  清明上河図のモノクロ巻子複製を買った。上のほうのイメージだ。1961年9月、人民美術出版社、第1版第2次印刷。カラー図版やカレンダーももっているのに、なぜ今モノクロなのか?
この画は、1970年代ごろに大修理をしていて、かなり画面が変わっているからだ。従ってその前の状態を伝える写真は結構貴重なのである。残念ながら、修理前のカラー複製はないようであるが、もともとそう鮮やかな色の画ではないので、まあ精密なモノクロ複製でも、なんとか許容できる。
 大修理の一端は「清明上河図」でも解説しておいた。過去の修理で付け加えられた補絹を除いて、新しい補絹をいれたようだ。修理の詳細報告がない以上は、推定する他はない。実物を見た感じでは非常に巧妙な修理でほとんど跡がわからない。
モノクロ複製をみると、前半にはかなり傷んだ部分が多いことがわかるが、実物でははとんど気にならない。そうはいっても、どう変わったかは気になるところであり、証拠物件として、このようなコロタイプの精密なモノクロ複製は貴重なのだ。イメージにあげた、もっと前1958年に出版された袋入りの1枚1枚分けた複製は、ずいぶん前に英国の本屋から入手した。マックス=レール教授の旧蔵本だと思う。これと、この巻子の複製、文物精華という大きな本の中の影印が修理前写真の主な出版だろう。
 1985年時点では、おそらく2組の写真しかなかったのではないかと思う。修理前に撮ったモノクロの写真と修理後にとったカラー写真である。だから、1970年代後半に出版された本でもモノクロ写真図版は、修理前のものを使っている。
by reijiyam | 2007-10-07 08:30 | 蔵書 | Comments(0)