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寿山石小志

まったく図版がなく、文章だけの小冊子だから、印材である寿山石をかなりみている人でないと、チンプンカンプンであろう。しかし、ある程度見聞のある人には、現在あちこちの雑誌などで書かれている文章の種本であることがわかり、興味深いものがある。

ほんとに、安っぽい小さな本であるが、1939年に福州の篆刻家 陳大?が書いてそれを弟子の一人 陳清狂が1970-80年ごろ改訂したものである。

硯でいうと、宝硯堂硯弁のような、本物の感じがする。
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by reijiyam | 2007-03-28 23:32 | 蔵書 | Comments(0)

富貴楼の呉昌碩

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長崎市の料亭富貴楼
http://www4.ocn.ne.jp/~fukiro/
は、伊藤博文が名付け親という、古い料亭であるだけでなく、味サービスとも一流である。
ここに、近代中国書画の巨匠である呉昌碩の書画があるということは、陳舜臣さんのエッセイで聞き及んでいた。長崎に移居した縁もあったが、叔母からの話で、富貴楼で食事をすることになったので書画の鑑賞を懇望して、快諾された。
昼食の前に宴会場の壁に数点かけていただいた。七十六歳の蘭石は殊に傑作で墨の色も良い。絹[糸光]本であることも割と珍しい。この箱には、呉昌碩の名刺にコメントしたものがついているのも奇である。
蓮の紙本軸も良質なものである。紙本篆書の一行書もあった。これは、料亭入り口の刻字聯に近いものである。
食事をいただいた間にも、写真のような呉昌碩の刻字額があり、好ましい。
また、王一亭の鶴の絵(絹)に呉昌碩が題賛したものがあり、呉昌碩の行書題のなかでも力作だと思った。
王一亭の書軸(紙本、行草)を観たが非常にあくの強い書で、好みが分かれるところだろう。
 もともと、ご親戚が上海に六三亭という料亭を営業されており、その筋でご購入されたもののようである。
王一亭もかなり所蔵されているような感じであった。
 同時代購入の質の良いコレクションであり、全貌を観る機会があれば、と感じた。
by reijiyam | 2007-03-24 20:41 | ニュースとエッセイ | Comments(0)

阮性山の発見

e0071614_18165631.jpge0071614_18173516.jpg 文化大革命の余波で、古めかしい絵画掛け軸が、日本に多量にもちこまれ、即売会で売られたことがあった。明清の大家のサインが入ったうんざりするような偽物が多かったが、中には清代末期から民国時代の無名画家も混じっていた。
 この画も、1973-5年ごろ買った絵画で、最近までどうしても画家名がわからなかったものである。インターネットの発達で、競売目録などの検索が楽になり、有名でない画家の作品の同定もより楽になった。
 阮性山(1891-1974)は西レイ印社の理事もやった人である。1974年まで生きているから、文化大革命をなんとか生き抜いたことになる。中年以後、耳が悪くなりあまり交際しなかったというが、官僚としても実績を積んでいるので、耳の病は保身のための口実だったのかもしれない。
 紙本墨筆淡彩立軸。1924年11月34歳ごろの作品である。「倣陳白陽菊石図」とでもいうところだろうか?明代の画家、陳淳の大胆な花卉画の様式に倣った作品である。虚谷などに近い渇筆を使った作品で、民国初期の雰囲気がよく現れている。
「阮居士」(朱文)「曲江民」(白文)は、文献にない号のようである。ただ、1929年ごろ、丁甫之、高野侯などの7家が合作した画冊が最近西レイ印社でオークションにかけられた。その中に阮性山も二画いれていて、「阮居士」「曲江民」印を使用している。
by reijiyam | 2007-03-17 18:19 | コレクション | Comments(0)