毛主席詩詞十九首

1958年9月に北京の文物出版社で出版された本だが、なんと題箋が豪華な錦である。32.5cmx21.5cmの大判の本で、罫線の幅が2cmもあり、一文字が1.5cmぐらいある大字本、しかも伝統的な木版印刷の製版彫版本で上質の白紙に見事に刷ってある。
黄虎堂先生が共産党宣言(1973/11 上海書画社)について、「何と言う贅沢さ、何と言うブルジョアさ、一体誰を販売の対象としたのであろうか。」と言われていたが、それを上回るものだろう。だが「誰を」という問いには答えることができるだろう。中南海の共産党幹部・毛沢東・毛沢東に媚びを売りたい地方幹部。文革以前なら生き残っていた企業家である。
 毛沢東は、このころ、この本の上部余白に詩句の注釈をかき込んでいたようである。秘書の田氏が北京政府に寄贈した本の一つにそれがあって、共産党新聞にのったようだ。しかし、この贅沢な本に自注を書き込むというのは、清時代の皇帝や地主官僚そのものではないか。確かに毛沢東は豪農地主出身であり、複雑な心情の持ち主ではあったのだが。


e0071614_10141597.jpg



e0071614_10152378.jpg

by reijiyam | 2008-12-18 10:21 | 蔵書
<< 鐵斎の自畫刻印 在昔篇の跋 >>