玲児の中国絵画入門 9 鳥瞰図で文字だけであげたものを実例で絵解きしていくことにする。 ただ、あまり しっかりした解説ではなく、ゆるい感想程度ね。 まず、北宋時代の山水画と花鳥画と白描画、 最初は、范寛の 渓山行旅図(絹本 軸装 台北國立故宮博物院) まあ、なんといっても、右下のロバのキャラバンの小ささと精密さ。この精密さは清明上河図に優るとも劣らない。それと対比するこの圧倒的な山岳の巨大さ。この強烈な構想にまいってしまったんだよなあ。。この絵は2m6cmもある大きな絵です。たぶん、もとは屏風絵か壁画だったんじゃないかと思います。 なおこれは純粋な水墨画ではなくかなり他の絵の具が入っているそうです。 次は、ちょっと意外かもしれないが梅花集禽図(絹本 軸装 台北國立故宮博物院) 本来なら崔白の双喜図(台北國立故宮博物院)をだすところでしょ。実のところ、梅花集禽図の良さはケーヒル先生のSKILA社刊行の本Chinese Paintingを読むまではよくわからなかった、 北宋画院の大規模な障屏画で、現在まで残っているただ一つのもの、といわれれば、まさにそのものです。高さが2m58cmもあるんですよ。これは。 部分部分をみると、いわゆる「徽宗皇帝の花鳥画」そのもののじゃないかな? 典型的な宋の鳥画の大幅として、あえて注目してみたい。全体の構想や緊密さは崔白の双喜図のほうが優れていると思います。 そして、現在行方不明ですが、李公麟の唯一の真跡と呼ばれた五馬図巻をあげてみます。この図巻は最初の馬は一番優れていますが、最後はかなり劣っている。後ろのほうは取り替えられているっぽいです。第一の馬の部分を拡大してみます。 最後に、後世でよく使われる米法山水の始祖である米フツの絵はまるで残っていないけれど、その子の米友仁の絵はかろうじて残っている。ひどく傷んでいますが、上海博物館のこの雲山図巻はかなり良いと思います。部分図をあげます。下部に線があって空白になっていますが、これは他の米友仁の絵にもあるんで米友仁のクセだと思います。
by reijiyam
| 2015-04-07 10:24
| 中国絵画入門
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