ネルソン クリーブランド展を観たことで、再び中国絵画とくに山水画への関心が掻き立てられた。 玲児の中国絵画入門 4 吉村 貞司の煽り http://reijibook.exblog.jp/22914314/ で、あげた 范寛の 渓山行旅図の実物を是非 観賞したいと思うようになった。 東京国立博物館の東洋巻で中国書画はしょっちゅう展示替えしていることを知っていたし、所蔵している絵画が展示されていなかったベニスの美術館、玄関までいったが閉館だったロッテルダムのボイマンスなどの苦い経験がある。事前に展示しているかどうかを知らねばならない、と思った。わざわざ行っても展示していなければ無駄である。 そこで、旅行社に相談したが全くダメ、日本における中華民国の実質的な大使館である台北駐日経済文化代表処 http://www.roc-taiwan.org/JP/ に手紙を出して、秋の10月10日~11月20日に名品展をやっているので、そのときいくといい、という情報をなんとかもらった。当時は、台湾にいくのにもビザがいったので、かなり前に準備しないと旅行自体できない。当時は、日本人がホテルに泊まると売春斡旋がうるさいという評判だったので、台北駅前のYMCAにした。結局1984年11月16日~18日で台北國立故宮博物院を訪ねた。 このときのメモが残っているが、「頭がオーバーヒート」と繰り返し書いているくらい興奮した。 なんせ、イメージのような豪華な惜しみない展示方法だったので、強烈な衝撃を受けたのだ。 これほどの大盤振る舞いは、現在ではあまりやらないが、それでも、結構惜しみなく展示するほうなので、中国絵画 観賞の入門としては、極初歩のことを知ったら、台北國立故宮博物院で名画展をやっているときを狙って観賞することを是非お薦めする。最近はインターネットで展示情報を容易にとることができる。1990年代のように苦心惨憺し、手紙を出したりして情報を得る必要はない。中国書画の美術館などでの鑑賞のときいつも悩まされるのは、この展示替・展示期間などの問題であるが、現在ではインターネットによって、ある程度は改善されたのだから利用しない法はない。 北京や上海に何度通ってもこういう経験はできない。刺激が強すぎたせいか。その後、1980年代に、北京故宮博物院の明清画展示を見たとき、ほとんどみるべきものがないと過小評価したぐらいである。 その後、東京国立博物館の東洋館の中国書画ギャラリーには定期的に通って観賞していたが、 中国絵画を収集することは到底無理と悟って諦めた。むしろ拓本や書道史、古代の文物に関心を移すようになった。個人的事情もあり、台北國立故宮博物院に再訪するのはずっと後の1990年代になってからになる。
by reijiyam
| 2015-04-01 08:56
| 中国絵画入門
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