韮花帖 3種

 五代時代は乱世だったので、あまり有名な書道家はいないが、
楊凝式は、一番 名前が出る人であり、真跡・模写本らしいものも残っている。

 その中で、名前だけは有名で、多くの人が臨書しているのが、この韮花帖である。実際は、たいていは、たぶん法帖拓本をもとに臨書したんだろうなあ。

 この模写本は3種類 確認されていて、一応、羅振玉が百爵斎名人法書に影印したものが最良本とされている。この羅振玉本のカラー影印がインターネットで公開されているので、意外に思った、どうも北京の故宮博物院にあるという。ただ、確認はしていない。
 他の2つは、清朝宮廷にあったものが1点、これは現在 無錫の博物館にあるはずだ。 もう一つは台湾の蘭千山館こと林柏寿先生の所蔵だったもの、これはまだ林家にあるのか台北故宮に寄託されているのか、行方不明なのかわからない。

 この際、3種を並べてみたい。




楊凝式の書には、独特の癖があって面白いので、昔から関心をもってきたが、この韮花帖は一番おもしろみのない気のないものなので、なんで昔から尊重されていたものなのかは不思議だった。

 そうはいっても、ちょっと変わった書風には違いない。
昔々、奈良国立博物館で入唐僧の確か円珍が唐人と交わした文書を展示していたとき、これとよく似た書風だったので、ああこれかな!  晩唐の一書風だったのか?と思ったことがある。



羅振玉 本(北京 故宮??)

 
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清朝 内府 本 ( 無錫)

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蘭千山館

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by reijiyam | 2015-02-20 09:46 | ニュースとエッセイ | Comments(0)
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