阮元の高弟所蔵の金石

 最近、某サイトで阮元の高弟  陳経が自分のコレクションを図示した求古精舎金石図という本の(嘉慶18年序)のイメージをみた。

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 これは、1世紀ごろの文字入りレンガの文字を模写し木版画にしたものだが、まさに同じもの、それも木版ではなく陳経自身が採った拓本が貧架にある。

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 「陳経」の印もある。この拓本を収録した冊には他にもレンガ文字の拓本があり「求古精舎」という印もあるものがあるので、嘉慶ごろ、陳経の手拓を多く含んでいるものであることは間違いなさそうだ。私は、この冊を、仮に嘉道名流蔵セン と名付けているが、この名を確実にして良さそうだ。

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まあ、こういうレンガの文字というのは、当時の公文書や手紙の文字と違ってかなりレタリング的なものなので、こういうので書道史を構築したんじゃいけないのだが、嘉慶道光ごろでは、西域出土残紙も呉の木簡もないので、こういうものから王羲之時代の書を想像したりしたわけである。

その結果が 阮元の大胆な理論や李文田の蘭亭偽作説になったわけで、それはそれで研究史として非常に面白いものである。現在もまたなんらかの誤解・情報の歪みにおちこんでいるのかもしれないと自戒するところではある。
by reijiyam | 2012-04-06 10:23 | 蔵書
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