夾雪本 と潘氏本淳化閣帖について、
数年前、故宮博物院の討論サイトで英語で議論したのだが、そののち得た知見も加えてみる。 (台東区立書道博物館) a 潘刻本 ◎夾雪本 が潘氏本を改造したものだという議論 夾雪本 が潘氏本を改造したものだという議論が香港や中国にはあるがこれは、間違いだと思う。 まず、第八と第七が別刻らしいので、2つを一緒くたにすることが既に無理であるが、資料が多く痛みが少ない第八で論証する。 理由/根拠: 1. 夾雪本第八 の行間は 潘刻本より 2-12% くらい広い。このためなにか寛弘な感じをうける。 2.夾雪本第八 :取卿女聟帖の「耿」には 剥触がない、また加筆した跡もみえない(原本で観察)。 潘刻本にはあるし、 潘刻本 潘氏跋には 「取卿女聟帖耿字有剥触紋」,とあるから潘刻本 には必ずなければならない。 3. 夾雪本第八 には 銀錠紋がない。補筆塗りつぶしたあともみえなかった。(原本で観察) 補論: もし「顧従義 」印 や 「莫是龍」跋があと添えだと仮定すれば, 夾雪本第八 が 潘刻本の再版重刻をいじったものである可能性はないこともない。潘刻本でないことは明らかである。 ◎ 第七と第八は別本 一見して明らかであるが、潘刻本第七の図版がなかなかないので、調査が難しい。 とはいえ、最近、奇妙なことに気がついた。第八は行間が広いが、第七はむしろ逆に潘刻本より狭くなっているのではないか?という数値的統計が,僅かにある潘刻本図版(上記)との比較ででてきた。
by reijiyam
| 2012-02-03 21:24
| ニュースとエッセイ
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