夜鶴庭訓抄

 書学書道史学会の学会誌の最新号(No.19 2009)を読んでたら、永由徳夫(ながよし のりお)という方が、夜鶴庭訓抄の写本の研究を発表しておられる。これは平安末期の書道の家 世尊寺家当主 藤原伊行が書いた書道秘伝心得集なのであるが、どうやら群書類従に収録されているテキストと中世に書かれた古写本とでかなり違いがあるらしい。岩波文庫などに収録され定本となっているのが群書類従本だから、これはちょっとまずいのかも、中世写本をもとに定本をつくりなおしたほうがよいかもしれないという問題になっているわけだ。
 古写本が発表されファクシミリでではじめたのが1976年というから、ずいぶん最近のことである。
 実は、手元に夜鶴庭訓抄の写本がある。、といっても、中国式の罫を木版印刷した冊子の写本だからどう古くったって江戸後期、幕末、あるいは明治期かとおもわれる写本だ。で、ちょっと読んでみると、意外にも中世写本に近いテキストだ。勿論 中世写本のように漢字カタカナ本ではなく、漢字変体かな なんだが、テキストは、群書類従本ではないようにみえる。といっても永由論文にある大嘗会のところを対照しただけなんだがね。24条あるから、続群書類従本でもない。ただ、永由論文だけを頼りに対照すると大嘗会の部分は東大本・続群書類従本に近い。

この写本は、表紙にみるような日本の書関係の文献をあつめたものだから、かなりの好古家がつくったものかもしれない。表紙裏と冒頭には無想庵主という印があるが蔵書印なのか写本作成者なのかはわからない。

 もともとはイメージのように鳥居の寸法や額の書き方が書いてあったので面白いと思って、古書展で買ったものだ。少しは大切にしなけりゃいかんかもしれない。

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by reijiyam | 2009-10-20 11:14 | 蔵書
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