セン塔銘

 30年以上前、習字をしてみようと思ったとき、台湾か中国の薄い粗悪な「セン(土+専)塔銘字帖」という手本が気に入って結構習ったことがある。初唐のチョ遂良風の書風だが、雁塔よりもリラックスしていて親しみ深く、習いやすかった。その後もなんとなくこの碑は気にかけていたが、なにしろかなり早く壊れてしまっているので、原石からとったまともな拓本などはなく、あっても極小さな破片のようなものの拓本であり面白くない。こういうのには、やたらと重刻本があるが、全く面白くない。
 そうなると良い複製本がほしくなるのだが、これもあまりない。敬客という全く無名の人の書ということで、人物像からせまることができず、話題性に乏しいからだろうか? 書は人なりもいいけれど、有名人の書だけをもちあげる事大主義も考えものである。
 現物としては鶯谷の書道博物館にわりと良い拓本があるらしい。これは、昔、書品で掲載された。エリオットコレクション展を大坂でみたときエリオットの拓本がでていたがこれは残念ながら重刻本であった。
 上海図書館の本もカラー複製がでているようだが、非道に高いので現物をみないとなんともいえない。
 イメージに採用したのは、かなり汚い本だった割にはあまり安くなかった印刷本で、出土初拓王居士セン(土+専)塔銘 有正書局発行 民国13年4月3版というものからとった。何紹其等多数の名士の題がついている本である。
イメージの高さは19.7cm
なお、セン(土+専)塔銘といってもレンガに彫った字じゃない。塔はレンガだろうが、この銘は石に彫ったものをレンガの塔の基部にでもはめ込んだものだろう。当初の形はほぼ正方形のようだ。

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by reijiyam | 2009-05-10 11:34 | セン塔銘
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