清明上河図の修理
清明上河図の修理箇所については、
以前にも書いたが、もう少しわかりやすくイメージをだしてみようかと思う。

中野美代子教授も勘違いしていたし、細かく観察している人が意外にいないようだからだ。

まず、一九五〇年代の写真をみてみる。
前半のこの部分、赤線で囲ったところはオリジナルの絹ではない。おそらく明時代に修理して絹を補って補筆したところだ。描き方がまわりと全く違う。




でそれが、現在はどうなっているのだろうか?
1985年のカレンダーに使用されたカラー写真だが、



補っていた絹を剥がしてとって新しい絹にしてしまい、屋根、土塀、樹木などのところを少し補筆してある。


昔の写真をみればわかるように絹の断裂が非常に多く、まるでジクソーパズルのようだ。日本の平安時代の仏画などもX線でみたら実は似たり寄ったりの破損状態であることが多い。したがって清明上河図の他の箇所にも似たような破損修理箇所が多数あると思う。特に前半がひどい。

 ただ、おそらく一九七〇年代におこなわれた修理は大変巧妙で、うまく絹の継ぎ目をかくしているようで、上海で実物でみたおり観てもなかなかわからかった。



# by reijiyam | 2012-01-18 09:51 | ニュースとエッセイ | Trackback | Comments(0)
五首一紙
手本用にイメージをあげてみた。

# by reijiyam | 2012-01-03 14:09 | 蔵書 | Trackback | Comments(0)
日本の風景


  年末なので、日本的な風景、どういう風景が日本人に好まれ、日本の風土をどういう風に日本人がみていたか? という例をあげてみたいような気がする。結局、絵画というのは人間が好ましいものを描くのだから、題材が同じでも描く人によって変わる。欧米人が描いた日本の風景に別の面白さがあったり、香港広東で西洋人が描いた植民地絵画に不思議なエキゾチックがあるのもそのためである。

 日本的といって、まず思い出すのが室町時代の大和絵屏風である。東京国立博物館所蔵のこの屏風はまことに不思議なものである。和歌山の金剛寺の屏風も素晴らしいが、それよりもっと静かなのどかな感じがする。






また、平安末の風俗画として、扇面写経の下絵(12世紀)をあげてみたい。部分イメージであるが、これは東京国立博物館本を木版画におこしたもので、原本よりよくわかる。原本は銀のヤケや退色でかなりわかりにくい。
 左の女が太い裸足なのが明白なのが面白い。

# by reijiyam | 2011-12-31 20:58 | ニュースとエッセイ | Trackback | Comments(1)
嵩山少室闕の残字
 どうも、色々調べた結果、校碑随筆には「前十七行があるが。黄易本で上部4,5字がみえ、下部に半字が十字みえるだけ」張彦生「前三十行あるが摩滅」ということらしい。 
最初のイメージが通常の冒頭部分、二番目と三番目がそれに先行する摩滅剥落して字が殆ど無くなっている部分、一番下に字があるようなないような状態だ。これが「半字が十字」というやつであろう。












京都大学人文研の拓本
 http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/db-machine/imgsrv/takuhon/type_g_b/html/d02-12.html
 http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/db-machine/imgsrv/takuhon/type_g_b/html/d02-13.html
でも、この摩滅剥落した部分が少室南面の一部としてあげてあるので、他の碑からもってきたわけではないようだ。また、京大本の一番目には更にボロボロに剥落した面に数字あるようなないようなものがある。

  藝苑真賞社の古鑑閣本影印本は書跡名品叢刊に転載されているものであり、一般に普及している。ところが旧拓らしいのに冒頭の「半字」は収録されていない。他の書道全集・中国美術全集本などみなそうである。むしろ清後期以降の新しい拓本のほうがこの部分を丁寧にとっているものがめだつようである。
 どうも古い時代には黄易のような篤志家研究者以外は、主要部分だけ採拓して満足したらしい。他は紙がもったいないし面倒なのでやらなかったのではなかろうか。
# by reijiyam | 2011-12-10 09:52 | 蔵書 | Trackback | Comments(0)
拓本の折れ


 拓本で、もともと折って保存されていたものでひどい折れ線ができていて観賞にすら支障があるものがある。イメージは嵩山少室神道ケツの拓本だが、強い折れ線のせいで写真撮影にすら問題が生じている。このような折れはどうやって解決できるだろうか?
 全部あらたに裏打ちしなおして表装しなおせば解決はするが、費用が馬鹿にならないし、拓本の平板化も避けられない。
  まず、裏打ちしていない拓本の場合は水で裏打ちしてみるという手がある。裏打ち紙は剥がしてしまうのだがそれによって汚れもとれ、折れているところがのびる。
  イメージのように裏打ち済みの拓本が折れている場合は面倒だ。最近、当方がやっている方法は折れ線を筆ですこし濡らして、小型アイロンで裏側から伸ばすという処理である。直接アイロンをあてず、湿気を加えた木綿布などをあてて低温のアイロンをかけるだけでかなり改善する。完全に解決するとはいえないが、かなり改善はするのでお薦めしてもいいかなと思っている。
 アイロンは裏からあてること、表からでは効果は薄い。
 高温のアイロンでは焦げてしまうから低温の、できたら小さなアイロンでやると効果がある。
# by reijiyam | 2011-12-07 21:37 | ニュースとエッセイ | Trackback | Comments(0)
< 前のページ 次のページ >